「旅行しない日本人」は本当なのか?統計から読み解く国内旅行の実情
← ブログ一覧へ戻る他の記事同様、こちらも聞いたことがあるのではないでしょうか。果たして本当に日本人は旅行しなくなったのか。データから読み解いてみます。 なお、国内旅行と海外旅行とでは事情が違うようなので、今回は国内旅行に絞ってリサーチしました。
本当に日本人は旅行しないのか
国道交通省の調べによると、2014年の国内旅行者総数は6億人。2017年には6.5億人まで伸びましたが、コロナ禍により5.6億人にまで低下。2024年時点で5.4億人になっています。
確かに、減っている。 しかしよくよくデータをみてみると、統計の落とし穴ともいうべき事実が隠れていました。
実は増えてる観光旅行
先ほど紹介したデータ、実は「旅行」の定義が、一般的な感覚とはちょっと違うんです。要するに、出張や業務目的の「旅行」も含まれています。私たちが「旅行」と聞いて思い浮かべるものとはちょっと違います。
旅行の目的を観光レクリエーションに絞った場合、つまり私たちが「旅行」と聞いて思い浮かべる目的ですね、その場合、2014年を100とすると、2024年は109.6。約1割増えているんです。
このブログ執筆にあたっていくつかビジネス系メディアやブログ等見ましたが、この目的を分けずに話を進めているものが目立ちました。それでは正しい戦略を立てられなくなってしまいます。
ちなみにビジネス目的の旅行が減った理由は、コロナ禍を経て、リモートによる打ち合わせ等が当たり前になり、出張が減ったことが数値に表れています。
じゃあ、日本人は旅行をしている?
観光レクリエーション目的に絞った旅行者数は1割増、国内旅行消費額も2024年時点で過去最高の25.1兆円を記録。 では、日本人が旅行しなくなったというのは嘘なのか。 一概にそうとも言えないのが難しいところ。
消費額については、インフレ傾向による値上がりやインバウンド需要によって、そもそも旅行にかかる金額が増えていることが原因です。コロナ前と比較して14.5%増。物価は5〜20%増なので、物価上昇の範囲に入っていると言えるでしょう。 一方、旅行者数については様子がおかしい。 国内旅行の経験率、つまり旅行をした実人数は、2014年の62.7%から2024年には57.1%に低下しています。 延べ人数では1割増加しているものの、実人数では減少している。単純な言い方をすれば
旅行する人は何度もするけど、しない人は全くしない。
という状況です。
誰が旅行してるのか
では、今、旅行しているのはどんな人なのか。大きく2種類に分類できます。
****「一人旅」や「平日旅行」を駆使し、安く何度も旅行するタイプ **** **** 旅費高騰が苦にならないタイプ ****
この2タイプが、旅行者延数の増加を後押ししているようです。
こうしてみると、ホテル・旅館等の宿泊業、観光団体、自治体、それぞれがどんな戦略をとるべきか、具体性を持って見えてくるのではないでしょうか。
データ参照・出典
国土交通省 観光の動向 https://www.mlit.go.jp/statistics/content/001890796.pdf
2025年(1月~12月)の旅行動向見通し(JTB) https://www.jtbcorp.jp/jp/newsroom/2025/01/09_jtb_2025-travel-trend-outlook.html