35年前のふるさと創生事業 —— 今、1億円が支給されたら何に使うべきか
← ブログ一覧へ戻る1988年から1989年にかけ、全国約3,000の自治体に使い道を制限せず「1億円」が交付されました。いわゆる、ふるさと創生事業です。
当時、各自治体はさまざまなアイデアを形にしました。金塊を購入したところもあれば、観光の目玉としてモニュメントを建造したところもあります。中には、施設に入場料を設け、そこから直接利益を生む構造を作ろうと模索した自治体もありました。
今回のブログでは、それらの成功・失敗の事例を見ながら「今、もし再び1億円が交付されたら、観光の視点からそれをどう使うべきか」を考えてみたいと思います。
結論:「人」一択。
事例を見ながら、と言いつつ、いきなり結論。今、各自治体がお金を使うべきは「人材」一択です。なんとも当たり障りのない結論に落ち着いた感がありますが、ちゃんと理由があるんです。
同じ失敗を繰り返していないか?
そもそも、この記事のために何度かリサーチをかけたところ、当時のふるさと創生事業において、投入された資金が地域にどの程度の経済効果を生んだのかを測定・公開している自治体は、見つかりませんでした。
数字という土台を完全に欠落させたまま、成功か失敗かと議論したところで、それは検証にも分析にもなりません。 この「効果測定が一切なされていない」という現実を前にして、「イカのモニュメントが無意味だ」とか「金塊を見に来た人が大勢いる」などと、何を作ったか(モノの是非)ばかりを語ったところで、どうしようもないんです。
数字を追えない組織に、いくらリソースを放り込んでみても、結局は一過性の花火として散るか、数年後に誰も管理できない負債が残るだけです。ずっとこれを繰り返していませんか?ここでいうリソース、元を辿れば「税金」です。
なぜこうなってしまうのか。理由はシンプルで、行政にも地域にも「投資対効果を冷徹に測り、事業を検証するガバナンス」が存在していないのではないでしょうか。
だからこそ「人」
だからこそ、次に予算やリソースが投じられるとき、向かうべき対象はハコモノでも表層的な施策でもなく、数字を測り、事業を組み立て、血肉に変えられる「人材」一択だと考えます。
「何を買うか」「何を作るか」のアイデア探しに走る前に、まずは「自分たちは投資の結果を正しく測れているか」という足元を見つめ直さなければならない。
育成するでもいいし、外注するでもいい。自分で効果測定ができないくても、そういう視点に立って主張できる人材であれば十分です。
実際に起こり得ること
これは「もし一億円が……」という、非現実的な話に限ったことではありません。「投資対効果を冷徹に測り、事業を検証するガバナンス」の欠如は、SNS運用や宣伝広告全般、もっと言えばあらゆる事業に言える事です。
もちろん、経済効果を測定し、事業の検証を行ったからといって必ず次の事業がうまくいく保証はないし、やらなかったからといって必ず失敗するわけでもありません。 しかし自治体の場合は税金を資源として投入し、事業を行うわけですから、より失敗しない、成功の可能性を高めることを最優先に考えるべきではないでしょうか。
データ出典・参考
なし